アクシィとキャティアの航海日誌

仮想世界のディレッタント、アクシィ・オーキドと、キャティア・イクストルの旅路の記録。「さあ、行こうか」今は、PSO2、シップ1(フェオ)を旅しています

【PSO2・航海日誌】【ショートストーリー】第1章 Trust relationship:前編

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はじめに・・・(注意事項)

 

※この記事は、PSO2ファンタシースターオンライン2)の世界感に、著者:アクシィ・おーきどの独自見解、キャラクター設定などを組み込んだ二次創作になります。ゆえに、ファンタシースターオンライン2に登場する固有名詞、ストーリー、設定などの著作権は全て株式会社セガゲームスにあります

 

原作はあくまでPSO2ファンタシースターオンライン2)です。著者と読者様の間の原作に対する理解の相違、拙作の至らぬところなど感じられると思いますが、こちらに関しては、文責は著者:アクシィ・おーきどにあります

 

無断転載並びに再配布は固く禁止します

 

※おかしなSF考証や、つっこみなど、固有名詞がおかしいなど多々気づくと思いますが、こちらも、文責はすべてアクシィ・おーきどにあります(セガは関係ないってことですよ!

 

では、本編はめくりますね(今回は3700文字くらいです)

 

 アクシィとキャティアがアークスとしての初陣を飾り、そしてルームシェアを始めてから約一ヶ月が経ったが・・・

 

「お疲れ様、オーキド君」

キャティアさ…イクストルさんもお疲れ様です」

「では、食事つくりますね!」

「私は結構・・・自分で用意するから」

「あ・・・そう・・・ですか」

 

彼女も理屈は理解していたし、アークスがこのたぐいの露骨な嫌がらせ?をするような組織ではないことも理解していた。しかし相手はキャストとはいえ、男性である。それも、ヒューマンやニューマンなら思春期を終えた後の、最も自己抑制が効かない、良く言えば”初々しい”少年が相手である。

 

――どうも・・・あずましくないなあ

 

一方のアクシィも、せっかくの相棒、年齢が離れていたことへの違和感は殆どなかった。アークスとして頼りがいのある実力がある相棒だということもわかっていた。ただ、アクシィには、彼女が無理して周りに壁をつくっているのではないか?という感覚があった。であれば、その壁を薄くする、壊すのも相棒の役目。と一方的に思い込んでいたのだ。

 

――今日も、うまくいかなかったな・・・

 

この行為が一方通行である、と理解できるほどアクシィの人格は洗練されていない。アクシィは露骨な気遣いを試み、キャティアがその行為から距離を取ろうとする。この状態が1ヶ月ほど続いた。

 

アークスとしての任務自体は大きなトラブルもなくこなしている。昨今、オラクル船団へのダーカーの襲撃が頻発している。その迎撃任務が主任務だが、傍目からは二人の間の違和感などわかるはずがない。二人共アークスの兵員として、無難に任務を果たす。そんな毎日だった。

 

「お疲れ様です!イクストルさん!」

「ええ、お疲れ様」

「えっと、今日は商業区域で天然製品のお魚・・・タラが安かったんです!お口にあうかわかりませんけど、ぼくの社会適合教育をしてくれたお母さん直伝の、タラのお味噌汁を作りますね!」

「いや、ごめん。私はあまりお腹、すいていないんだ・・・」

「・・・そうですか。残念です」

 

――天然製品・・・タラ・・・お味噌汁

――ボクの故郷の味・・・はらへったな・・・

 

――今日も・・・だめだったな・・・どうしたらいいんだろう

 

キャティアは、アクシィの気持ちがわからないわけではない。むしろ感謝したい。しかし、海軍からアークスへやってきた経緯。そして少女時代、ちょうどアクシィと同じ歳頃にあったある出来事の記憶が彼女を素直にさせるのを阻んでいた。

 

――合成肉でなくて・・・天然のタラを使ったタラ汁・・・たべたかったな・・・

 

今日も彼女は、ペロリーメイトを齧り、低品質のアルコール飲料で流し込む

 

「今日の任務は惑星ナベリウス”遺跡”エリアでの偵察任務になります。各自指定されたポイントへ向かい、フォトン探知ソナーを設置するのが最終目的です」

「偵察と軽々しく見ないように、ソナー設置、敵情視察の失敗はすなわち作戦の失敗。諸君の任務の失敗が多くのアークスの命を奪う結果につながることを肝に銘じておくこと!」

 

――今更、言われるまでもない、基本ね

――偵察や斥候を新人にもか・・・切迫してるんだね、アークスも

 

キャティアとアクシィを乗せたキャンプシップが高度を下げていく。惑星ナベリウスは、1ヶ月前のダーカー出現より、新たなダーカーの出現と原生種への侵食、それによって危険度が増している。”遺跡”と呼ばれたエリアにもやっと上層部から立ち入りが許可された。

 

非常にダーカーの多い地帯でもある。そこで、ダーカー種のもつダーカー因子を探知することで、作戦域の決定や危険の回避に生かすための設置型ソナーをすえつけるのが今回の任務だ。もちろん危険は大きい。本来であればベテランアークスが担うべき重要度の高い任務だが、現状のアークスは人材枯渇が著しく、新人アークスや、経験の浅い新米アークスもこういった危険な任務に就かざるを得ない状況になりつつあった。

 

「イクストルさん、今回の任務は・・・」

「うん、今までの任務の中でも重要度は段違い。ソナーの設置失敗は許されない。気を引き締めていこう」

「はいっ!」

 

「間もなく降下地点、アークスは降下用意」

パイロットからの指示が飛ぶ。このキャンプシップには二人を含め四人のアークスとパイロット、そして機材が積み込まれている。

「ん、レーダーに感。ダーカー種ではなく人工物、動力反応あり」

「・・・こちら第1船団所属のキャンプシップ、F-JTT3。こちらは作戦行動中である。貴機の所属と目的を知らせよ、送れ」

アークスで用いるキャンプシップではなく、大気圏内で使われるVTOL戦闘攻撃機である。おそらく地上軍か海軍陸戦隊のものだろうか。

 

「ん?ロックオンされた!」

「接近中の機体へ、こちらはアークス、第1船団所属キャンプシップ、F-JTT3!フレンドリー!」

その次の瞬間、かの機体から空対空ミサイルが4発発射される。こちらと違い、相手は対文明戦闘用の武装をもつ。必中の距離から放たれたミサイルから逃れる術はこちらにはなかった!

「カーゴ内のアークスへ!早く飛び込め!」

「え?何?」

「まだ緑のランプついてないぞ!」

 

「イクストルさん!一体何が!」

言われる間もなく、キャティアはアクシィの腕を掴み、テレプールへ飛び込む!経験上、こういった際に果断速攻以外の判断が危険であることを彼女は知っていた。その数瞬後に、爆音がこだまする。飛行中のキャンプシップは、ダーカーなどのフォトンを用いた攻撃に対するシールドは万全だった。だが、これは”人間が作り、人間に対し放つ”兵器、それもフォトンではなく、炸薬は高性能火薬、フォトンジェットで加速された運動エネルギー。アークスの船や機動兵器はフォトンには強いが、こういったローテクには非常に脆い側面があった。

 

機体は四散する・・・

 

「・・・生きてる?」

「・・・なんとか・・・」

「・・・撃たれたね。多分味方に」

「え・・・?なんで・・・どうして、シップにいた他のみんなは?」

「運が・・・無かったね」

「そんな!」

「とりあえず伏せて、見つかって掃射されたら私達もあの世行きだ」

「あっ」

 

――厄介だね・・・チャフを撒いてる。あの輝き、ご丁寧にフォトン吸着ジャマーですか。これで、救助もすぐには来れない・・・

 

しばらく後、攻撃機はキャンプシップが爆散したあたりを旋回していたが、しばらく後に遠ざかっていった。

 

「・・・行ったね」

「とにかく、他のシップや作戦本部に知らせないと!」

 

「だめです、通じません」

「あの機体が撒いていたのは、古典的な通信妨害用のチャフと、フォトン吸着ジャマーさ。あれをやられると、通信やレーダーの類はしばらくダメ。もっとも、異状に気づいて来援が来るまでの時間はわからないけど、だから奴も長居はしなかったのさ」

「えっと、どうしたら・・・」

「とりあえず、ここは危険地帯である”遺跡”のど真ん中ってこと。武器は大丈夫?」

「はい、ぼくの武器は大丈夫です」

「じゃあ、キャンプシップが爆発した真下に行くよ」

「何のために」

「使えるものがないかと、あとそれと・・・」

「なるほど・・・了解・・・」

 

最近立ち入り許可された危険地帯だけあって、大規模ではないが、散発的に侵食された原生種が現れる。

 

「ダーカー・・・ではないです。侵食されたザウーダンでした」

「もし、ダーカーに見つかったら、アークスがいることを奴らに知れたら・・・”ボク”らはなぶり殺しにされるね」

「はい・・・」

 

程なくして、キャンプシップの残骸が見えてきた。

 

「木っ端微塵ですね」

「警戒してなかったからね。ダーカーと戦うときに、対電子兵装やフレアーは必要ないでしょ?」

 

仲間の”一部”も見つけた。キャティアは顔をしかめる。アクシィは・・・

 

「・・・キツい?」

「う・・・うえっ・・・」

「まあ、しゃあないか。キミは機材を、できれば弾薬と使える爆発物。からから音のなるものもできるだけ集めて。ボクは・・・」

「・・・彼らを埋葬するから」

 

――運が、無かったね

 

――戦士の魂に、星霊のお導きがありますように

 

「イクストルさん、こんなものしか」

「ワイヤーが数メートルか、上出来!あとは君のライフル用の弾薬がいくつか、フォトン攻勢手榴弾が数発。モノメイトとソルアトマイザーのキットに、パルチザンとソードまあこれは彼から頂戴したのだけど」

「これからどうしたら」

「少しだけ移動するよ。ここにいたら危ない。でも必要以上に移動はしないよ。ある程度見晴らしが効いて、安全な水場が近くにあって・・・あとはできれば高台に」

「味方が助けに来るのは・・・いつごろなんでしょうか」

「わかんないね、あのジャマーがいつまで効くかわからないけど・・・地上軍や海軍が使う汎用品なら大体五時間、でも五時間したら日が沈むね」

「生き残れるでしょうか」

「それは、お互いの努力次第よ。ま、アークスのお偉方が勤勉なことを祈りましょうか」

 

――あれ?イクストルさん、一人称が”ボク”になってる

 

二人の長い夜が始まった

 

※※※

 

最後まで読んでくれてありがとう!後半に続きます!

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