アクシィとキャティアの航海日誌

仮想世界のディレッタント、アクシィ・オーキドと、キャティア・イクストルの旅路の記録。「さあ、行こうか」今は、PSO2、シップ1(フェオ)を旅しています

【アクシィの雑記帳】【非PSO2ネタ】螺旋の力を見よ!ライフルってなにさ!

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アクシィ「こんにちはアークスの皆さん、今日はこのぼく、アクシィ・オーキドが、なぜ兵士たちは戦場で石を投げるのをやめ強力な武器を持つに至ったかを教えよう。今日のテーマは…ライフルだ!」

 

ということで、今日は久しぶりの長文雑記になります。PSO2とは直接関係ないネタではありますが、興味あればぜひお付き合いください

 

アクシィ「さきっぽの尖った弾丸を撃ち出す長銃身の銃、ボルトアクション…レバーアクション…フルメタルジャケット弾…ふむふむ、なかなかいいキーワードですね」

 

アクシィ「まず、ライフルの定義をお教えします。広義のライフルとは”ライフリングと呼ばれる螺旋が重心内部に刻まれた銃”のことです。ライフルが誕生し、戦場における”銃砲”の価値が飛躍的に高まりました。今まででは考えられない戦術的優位性と殺傷力を得るに至ったのです」

 

アクシィ「スポーツを思い出してみて?野球でストレートを投げるときも、ピッチャーはボールの縫い目と握りを工夫して回転をかけます。ラグビーフットボールも、回転をかけることでまっすぐ、遠くにボールを投げられます」

 

アクシィ「この回転…”ジャイロ効果”は、滑空式、スムースボアの従来の銃よりはるかに長い射程、命中力、殺傷力、取り回しの良さを得たのです。」

 

では、その歴史を、ちょっとだけのぞいてみましょうか

(続きは折りたたみ!

 実用的なライフル銃は18世紀に原型が完成し、最初に実戦で用いられたのは…アメリカ独立戦争です。そのちょっと後のナポレオン戦争でも用いられました。まだ…戦列歩兵と騎兵で戦争をする時代のお話です

 

でも、ライフルの恐ろしさを本格的に人類が学んだのは…アメリカ独立戦争。2つのライフル銃が、これも画期的かつ恐ろしい弾丸”ミニエー弾”とともに戦場に地獄を生み出したのです

 

北軍の標準装備:スプリングフィールド

・南軍の主力小銃:エンフィールド銃

 

ライフル銃とそれまでのマスケット銃の双方の特徴を併せ持つから、ライフルマスケットとも呼ばれますね

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(上がスプリングフィールド、下がエンフィールド)

 

これらの銃は、従来のマスケット銃の3倍以上の射程と、100ヤード、約91メートルでの集弾性能を2インチ、約5cm以内に収められるという脅威の性能を誇りました。それまでの火器の役割がまさに”下手な鉄砲数撃ちゃ当たる”を地で行ってたのが変わった瞬間です

 

まあ、エンフィールドのほうが性能は上でしたが、最終的に物量に勝った北軍勝利を得ましたけどね。ちなみに、エンフィールド銃はその後大量に日本に輸入され…戊辰戦争を戦い抜きました

 

で、戊辰戦争といえば、大河ドラマ”八重の桜”を思い出す方もいるでしょうか。「ならぬものは、ならぬのです」あのとき新島八重(綾瀬はるかさん演)が手にしていたのは、当時最新式の銃の1つであった”スペンサー銃”です

 

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紙薬莢やフリントロック式、その後の薬莢式の弾薬やパーカッションキャップが生まれても、先込め単発式が主力だった当時…頭のいい軍人や兵器開発者は考えたわけだ…

 

ガトリングガンはつえ~けど重いよなぁ、もし、歩兵があそこまでとはいかずとも、1回の装填で弾丸を複数発それも早く撃つことができたら…すごくね?」

 

そこで考えられたのが”レバーアクション式”の発射機構。あれは散弾銃だけど、映画:ターミネーター2ウィンチェスターM1887をバイクに乗りながら華麗に扱ってたシーン。あれのライフル版で、レバーをガチャっとやれば弾が薬室に装填される仕組み

 

この機構で…エンフィールドだと毎分2~3発が限度だった発射速度が、毎分15~20発になりました。これってやばくね?

 

もっとも、スペンサーにはより性能が高いヘンリーという対抗馬もおりました。

 

金属薬莢の方式がGoodと世界中の軍人がうっとりしてたころ、ドイツでは似たような、しかし別の方式の後装式ライフル銃が誕生します

 

f:id:Acxyorchid:20170625165023j:plainモーゼル Gew98

 

”後装式・ボルトアクション式”のライフル銃です。銃の機関部の横にボルトがあって、そいつを”ガチャッ”って引くと弾が装填される。そして20世紀に入るまでに、同じような発射機構のリー・エンフィールドモシン・ナガンが登場します。

 

同じ頃に登場した”無煙火薬”、それを用いた弾薬こと、”尖頭弾丸”と取り回しのいい箱型の弾倉と合わせ…逆にこれらを扱うのに難があったレバーアクション式は衰退していき、ボルトアクションライフルが戦場の主役になっていきます

 

ボルトアクションライフルは現在でも根強く残っています。こと、狩猟用や”コールドボアショットによるワンショットワンキル”を目指す高精度狙撃用ライフルなんかはこの方式が多いです。

 

現在でも、スナイパーライフルのベストセラー”レミントン M700”や高性能の軍用狙撃ライフル”PGM ウルティマラティオ”。「ぼくのかんがえたさいきょうのそげきじゅう」こと”チェイタック M200 インターベーション”などはボルトアクション式ライフルです

 

日本でも、ボルトアクション式としては、20世紀初頭の”三八式歩兵銃”。初期ロットに限りではあるがっ!!”キングオブボルトアクション”の異名をもつ”九九式歩兵銃”などがあります

 

日本軍の銃ってポンコツな印象もあるかもだけど、三八式は登場時は世界水準でしたし、九九式の高性能さは連合軍に恐れられていました。まあ、第二次大戦の場合は、工業力が低下していくにつれ、急造でお粗末な銃が生まれたというのは事実の一旦ではありますが・・・

 

そして、世界は「ちくしょ~め!」が登場し、再び大戦の空気が漂う中・・・

 

「ボルトアクションみたいにボルト引かないで、銃爪を引くだけで弾撃てる銃・・・できない?だって・・・空冷式機関銃もあるんだし、できるよな?」

「え、無理だってば、だって歩兵だよ!汎用機関銃をみんなに保たせたらコストが死ぬ」

「かといって、サブマシンガンだと火力が不安だし・・・」

ジョン・ガーランド「しょうがねぇな、俺作ってみるわ」

 

で、登場したのが当時のアメリカの力の象徴、”M1 ガーランド。世界初の実用的なセミオートライフルです。

 

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セミオートとは・・・レバーやボルトを引く必要なく、クリップ弾倉を装着し初弾を装填すると、銃爪を引くだけで8発の.30-06スプリングフィールド弾を連続で撃ち出すことができる。

 

映画”プライベート・ライアン”や”硫黄島からの手紙”で見たこともあるでしょうか。ボルトアクションライフルが主力の歩兵に向かって、この銃を抱えた”大量”の歩兵が向かってくる。アメリカが第二次大戦の覇者になった理由の一端が見えると思います。当時、この銃を量産できる工業力を持つ国は、アメリカ合衆国だけだったのも事実

 

有名な話ですが、弾切れになると装弾クリップが「カィーン!」と甲高い音をだして飛んで行くのがある意味弱点。感覚が先鋭化した日本兵などは弾切れを用意に察知することができたそうです。もしくはM1のこの音で米兵を欺瞞したとかしないとか・・・

 

「俺様はM1よりも優れた武器を見たことがないぜ」 ジョージ・パットン

 

場所はかわり欧州東部戦線、とある戦車兵は驚愕する・・・

 

「なんだあのドイツ兵・・・あんなに連射できるライフルがあるなんて・・・我が国のモシン・ナガンでは・・・」

「祖国を守るため・・・私はあれよりも強力な、国家と人民を守るための銃を作りたい」

 

「マシーネンピストーレ44!だっせーな、そんな名前大っ嫌いだ!俺が名前考えてやる・・・そうだ、シュトァムゲヴェーア(突撃銃)なんかどうよ!かっこいいだろ!この銃は今日からStG44だ!」

 

「StG44・・・それにMP40。ナチ共の技術を参考にするのは気が引けるが・・・これなら」

 

その戦車兵の名は・・・ミハイル・カラシニコフ

 

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世界に名だたるアサルトライフルAK-47が登場しました。発射速度は600発/分。ミハイルは兵卒でしたから前線で過酷な戦いをする兵士の気持ちを理解する人物でした。

「戦場で不安な新兵でも扱いが簡単で、いつでも落ち着いて信頼できる性能が出せる銃にしよう」

とてもシンプルな構造の銃で、重量も約4kgと無理のない範囲、パーツ点数も少なく、砂塵や泥水、寒冷化の過酷な環境でもめったに壊れない。確かに、7.62mm弾のフルオート射撃の精度は多少・・・悪いかもしれませんが、それに目をつぶっても当時としては・・・否、現在でも非常に高性能のライフル銃が生まれました。

 

現在まで、1億丁以上生産され”世界で最も人を殺した武器”もしくは”世界最高の軍用ライフル”とも呼ばれています。もっとも、カラシニコフ本人は民間人を対象にしたテロなどでこの銃が使われることがとても苦しい思いだそうですが・・・

 

逆にいうと、第二次大戦が終わり、旧宗主国の搾取に苦しんだ第三世界がこの銃を持って民族の独立を勝ち取ったという側面もあります。実際、モザンビークジンバブエ東ティモールの国旗にこの銃の意匠が盛り込まれていることからも。”民族の独立、自立の象徴”。そして”もっとも小さな大量破壊兵器

 

また、東西冷戦の代理戦争・・・うんにゃ、親分のアメリカがでてきたベトナム戦争で、当時のアメリカ軍の主力歩兵火力はスプリングフィールド M14”

 

??????「キレイだぜ・・・シャーリーン」

 

決してM14の性能は低くなかった。高ストッピングパワー(標的を無力化できる能力のことです)で高精度、現在でも愛用してる傭兵もいる。だが・・・ジャングルという戦場で・・・M14はAK-47に大敗を喫した!

 

重さはAK-47と少ししか違わない・・・しかし、M14は長い(全長約1.1m)。おまけに接近戦ではフルオート射撃に頼ることが多い、だが!取り回し悪い環境でなおかつM14はフルオートはリコイル(反動)のコントロールが難しい。そしてベトコン(北ベトナム軍)は泥の沼地を這って近づいてくる!あんな泥まみれで撃てるなんて・・・俺のM14じゃ無理だ・・・

 

ということで、5.56mmNATO弾として知られる小口径高速弾を使用し、重量が2.8kgと軽量かつ、アルミニウムを多用した戦後米国を象徴する銃"コルト M16"を生み出しました。M16は現在でもマイナーチェンジをヘて、もしくはカービンモデルを改良したM4として米兵の命を守る銃となっております

 

あ、ジャングルという近接戦闘を強いられる、なおかつ高温多湿環境でなければ、M14は決してポンコツではないと思います。きっと

 

「日本の自衛隊はどんな銃を使ってるの?」

 

我が国の自衛隊では、”豊和工業 89式5,56mm小銃”が主力小銃です

 

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純国産ですよ!(武器を自分たちの国で調達できることは、国防上それだけでも多大な意味があると思います)

 

重量約3.6kg、比較的小柄な日本人の体格に合わせ小さく作られているにも関わらず、良好な整備性、集弾性能がある銃。弱点は・・・”くっそ高い”

89式小銃は政府調達価格で一丁28万円、これでも安くなったんだ!)

「おぅ、なかなかナイスなライフルね。さすがメイドインジャパン。特にこのバイポッド(二脚)はいいセンスだね!ところで、このバレットM82を見てくれ、こいつをどう思う?」

「まあそれもライフルだけどさ・・・人に向かって.50口径弾はもったいないと思います!」

「大丈夫、どうせ弾代だすのはステーツだぜ」

 

なんだこのやりとり。あ、89式といえば、ア・タ・レセレクターは健在だそう。ちなみにア(安全)、タ(単発・セミオート)、レ(連発・フルオート)

 

(ちなみに、アメリカのガンショップで

AK-47は約7万円、

コルト MT6400つまりM16の親戚の民生モデルだと12万円

FN社の高性能ライフル、FN SCARは30万円(これは仕方ない)

イスラエル製のタボールだと27万円

ビームガンみたいな見た目の東欧美人、ステアーAUGで25万円

これらは政府や軍の調達価格ではなく民生用、小売のガンショップでの価格ってのを考慮して比較してね(銃がお店で小売されているってことへの議論は今回は割愛だ!)

 

そして21世紀、先述のタボールやFN SCAR、MASADA、もしくはH&K社のHK416のような高性能アサルトライフル。同じくH&K社のPSG-1や.338ラプアマグナム弾を使用するシグ・ブレーザー R93やバレットM82などの大口径、超高精度のスナイパーライフル

「そんなんで撃ったら粉になっちまうよ」

が登場する時代になっています

 

その時代に生まれた機能美と科学技術の粋が”武器”であり、その美しさや機能を妄想したり愛でるのは正直・・・たのしいですが

 

実際に戦場で”人間”に向かって使われることがなくなる・・・とは思いませんができるだけ少なくなることを節に祈ってるのは本心です

 

さて、長くなりましたが久しぶりの長文雑記、おつきあいありがとう!最後まで読んでくれてありがとうね!