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アクシィとキャティアの航海日誌

仮想世界のディレッタント、アクシィ・オーキドと、キャティア・イクストルの旅路の記録。「さあ、行こうか」今は、PSO2、シップ1(フェオ)を旅しています

【PSO2・航海日誌】【ショートストーリー】第1章 Trust relationship:後編

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はじめに・・・(注意事項)

 

※この記事は、PSO2ファンタシースターオンライン2)の世界感に、著者:アクシィ・おーきどの独自見解、キャラクター設定などを組み込んだ二次創作になります。ゆえに、ファンタシースターオンライン2に登場する固有名詞、ストーリー、設定などの著作権は全て株式会社セガゲームスにあります

 

原作はあくまでPSO2ファンタシースターオンライン2)です。著者と読者様の間の原作に対する理解の相違、拙作の至らぬところなど感じられると思いますが、こちらに関しては、文責は著者:アクシィ・おーきどにあります

 

無断転載並びに再配布は固く禁止します

 

※おかしなSF考証や、つっこみなど、固有名詞がおかしいなど多々気づくと思いますが、こちらも、文責はすべてアクシィ・おーきどにあります(セガは関係ないってことですよ!

 

★主な登場人物

アクシィ・オーキド:第1船団フェオの新米アークス。キャスト

キャティア・イクストル:第1船団フェオのアークス。元海軍士官

デイヴィッド・コバヤシ:元海軍陸戦部隊の少尉、惑星ダンタリオン事件でキャティアと知己になる

ロイ・ルクレール:オラクル宇宙海軍大将。第1艦隊司令キャティアの元上官

 

前編はこっち

acxyorchid.hatenablog.com

 

では、続きはたたみます。ちょっとながいかも、いや、長い!中編はさめばよかったお

 

「さて……とりあえずは野営の準備しようか。救助が来るまで最短で5時間、最長でも半日ってとこかな?」

「助けに来てくれるでしょうか」

「当たり前さね。キャンプシップが撃墜されてんだもん。少なくとも様子を見に来ると思う。アークスはそこまで腐った組織ではないよ」

 

アクシィとキャティアは、キャンプシップの残骸からかき集めた機材や武器をもち、そこから約700メートルほど離れた遺跡の構造物の陰に移動した。近くには水場もあり、周りは茂みに囲まれ視界は良くないが、ちょうどキャンプシップの墜落場所は見通せる場所にある。

 

キャティアは、二人の足跡を注意深く隠し、その場所にワイヤーと金属片で警告機を設置する。アクシィはその様子を興味深く眺める。

 

「……そんな仕掛け、アークス養成学校では習わなかったのですが、どこで学んだんですか?」

「昔取った杵柄というやつでちょっとね。さてできた。完璧じゃないけど、原生種なんかが通れば音がする。もっとも……ダーカーは”出現”するから奴らには効果薄いかも知れないけど、ないよりましでしょ」

「オーキドくんはとりあえず自分の銃のチェックを」

「はい!」

 

彼は愛銃をチェックする。サーペント・ミリタリー・システムズ社制アークス制式アサルトライフル、SE229”ティグリドル”。野戦向けの信頼性の高い銃だ。

「通常弾のマガジンがぼくの手持ちと……集めたの含めて8つ。ということは240発か」

「それと、ソードにパルチザン。なんとか扱えるかな。あとはフォトン炸裂式の対ダーカー攻勢手榴弾が4つ……ランチャーは、だめだ。壊れてるや……」

 

しばらく後、キャティアはサバイバルキットを広げる。幸いなことに、気温は凍土とちがい遺跡は温暖だ。サバイバルキットから経口補水液兼栄養剤をとりだし一口飲む。それをアクシィに渡す。

 

「のみなよ」

「え…ええっ!……ちょっと、うんと、その」

「なに?」

「あ……いや」

「ははぁ、そういうことね。……アホッ!!」

「え?」

「そんなこと気にしてる場合か!間接キッスだろうがなんだろうが飲め!キミが喉がからっからで判断にぶって、引き金を引くのが数秒遅れればふたりともお陀仏だ!はんかくさい考えするな!」

「す、すみません!」

「飲み干さないこと、二口までね」

 

キャティアからボトルを受取り、彼もゆっくりと口に含み飲み込む。

 

「しばらくここに隠れるよ。3時間おきに通信機で揚陸艦に連絡。それ以外は無線封止。向こうから反応があったら応答して、こっちの座標を伝えてね」

「はい。他にやることは?」

「ないよ。ただ、墜落現場と上空の見張りはしっかりね」

 

――三時間後

 

(ひまだ……たいくつだ!)

キャティアは墜落現場をにらみながら、内心では少し苛立ちを考えていた。

(そもそも、あれは地上軍のVTOL戦闘攻撃機。型式は汎用型のVAF-4”グリズリー”。でも無警告で攻撃してきた。なぜ?あいつは何者?パイロットはどこの所属?)

 

「……さん」

「イクストルさん!」

「ん、ああ、ごめん。考え事してた。無線機に反応は?」

「ありません。ノイズがひどくて」

「まだジャマーが効いてるんだね。ま、そろそろご飯にしようか。オーキド君。あそこの水場で水を汲んできて。ボクは火をおこすから」

「あ、はい!あの」

「ん?」

「サバイバルキットに、釣りのセットがあったんです。これももっていっていいですか?」

「ゆっくり釣りに興じる時間はないけど、まあいっか。30分たったらもどってきてね」

「はい」

 

アクシィはサバイバルキットに備え付けられた野営用の魚釣りのセット……とはいっても簡易的な竿とリール、それに釣り糸におもりも兼ねた釣り針という簡素なものだ。

 

(この環境なら……きっとこれが)

 

アクシィは、近くの草むらをさぐり虫の抜け殻をとりだし、それを釣り針につけた。そして、釣り糸を垂らす。

 

(あのストラクチャーの陰、小さい魚がはねてる。今は夕まずめ、ということは……)

 

「イクストルさん!戻りました!」

「おかえり、って、うわぁぁ!」

アクシィな遺跡サケを抱えて戻ってきた。体長は小ぶりだが、天然魚としては高級品に値する魚である。

(……んまそうだなあ)

「ちょっと、まっててくださいね!」

アクシィは慣れた手つきで遺跡サケを捌き、半身を更に小さく分け、木の枝を差し込み。キャティアがおこした火にくべる。じゅうじゅうと食欲をそそる音があたりにする。

 

「しっかり火を通しますね!もしかしたら寄生虫とかいてお腹壊したら困るし……」

「イクストルさん?」

 

キャティアは焼けるサケの身肉を凝視する。舌なめずりをする。そして……

 

「あ……今の聞いてた?」

「何もきこえてません!」

 

キャティアの腹の虫が鳴った。ヒューマンはお腹が減る種族である。

 

「さあ、食うぞ!」

「いただきます!」

 

煮沸した水、味付けをしない焼き魚に舌鼓をうつ二人。彼らの間にこの1ヶ月感じていた違和感はもうなかった。

 

「んまい!んまい!ジューシーなサケの身!くそっ!塩!塩をぶっかけたい!」

「今野営中ですよ……」

「ん?あ?そだっけか?今度主計科にサバイバルキットに塩と醤油と味噌入れろって具申してみる!」

「味噌があればピリカ風鍋作れますね!ってちがう!」

 

「あ~んまかった。さて、火を消そう」

「ごちそうさまです。救助来ないですね」

「仕方ない……交代で眠ろう。ボクが先に見張りするから、オーキド君は眠ってね。3時間経ったら交代。何かあったらすぐ起こすけど、武器の状態は?」

「大丈夫です」

「そか、じゃあおやすみ。しばらくいい夢を」

 

アクシィはまどろみに落ちる。

(イクストルさんって……こんな人だったんだ。明るくて逞しい頼りになるお姉さん)

(最初は近寄りがたくて怖かったけど……)

(ぼくの獲った魚を美味しそうに食べてる姿。かわいかったな)

 

(海軍で習ったサバイバル課程がこんな風に役に立つなんてね……)

宇宙海軍では、こと士官は惑星上もしくは漂流時のサバイバルの仕方は必ず学ぶ。部下を鼓舞し、生き残らせる義務が士官にはあるという考え方である。名誉の自殺や”船と運命をともにする”という考え方は海軍ではご法度だった。もっとも彼女は才能があったのか、陸戦・サバイバル課程を通り越して、スカウト・レンジャー徽章をもつに至ったが…”可能な限り長く生き残り、諦めず、死なずに戦え”が彼女の師の教えだった。

(でも、あの子……あの短時間であんな大物ゲット。釣りマニアかな?)

 

――1時間後

 

「”アクシィ君”!起きて」

「ん、は!エンジン音が」

「まずい……この音は地上軍のガンシップ(重武装ヘリ)。アークスの地上戦闘機の音じゃない……余裕かまして翼端灯つけて近づいてくる」

「どうします」

「ちょっとばっちいけど、そのへんの落ち葉や枯れ草集めて水ぶっかけて。焼け石に水ではあるけど、それをぼくらに覆い被せれば多少は時間稼げるかもしれない」

「……戦って勝てますか?」

「無理」

「返答はやっ!わかりました」

 

二人は伏せ、水で濡らし冷やした落ち葉や枯れ草の下に潜り込む。泥が顔にへばりつき、腐った植物の匂いが鼻を突く

 

(うへぇ……いつか覚えてろよ。地上軍のかとんぼどもめっ!)

 

ローターの音が大きくなる。キャティアは上目遣いで目を凝らす。間違いなく、地上軍の戦闘ヘリコプター特有のターボシャフトエンジンの音があたりにこだまする。

 

(ストレイキャットか……どうころんでも勝ち目ないね)

 

EU-60”ストレイキャット”。G.I.エアロスペース社の開発した大気圏内の戦闘ヘリで、その汎用性や火力は群を抜く最新型である。アークスの地上戦闘機以上の火力と偵察能力をもつ。ネコの名の通り各種センサーを搭載した夜間戦闘にも長けた機体だ。

 

(イクストルさん。どうしよう……)

(とにかく、そのまま動かないで。動体探知されたら一発でバレる)

(あと、フォトンの吸収と放出は遮断ね)

 

”ストレイキャット”はキャンプシップが墜落したあたりを旋回し何かを探しているようだ。こちらに気付いた気配はない。

 

(あ~!早くいなくなれよもう!)

 

”ストレイキャット”の機種がこちらに向く。刹那サーチライトが点灯した。

 

(やばい……見つかった!)

「オーキドくん!身を低くしたまま走って!」

空対地ミサイルが発射される。

「生身の人間二人にASMか!大盤振る舞いするなっ!」

二人は泥だらけのまま全力で走る。アクシィはもっていた手榴弾のセーフティをはずし後ろに投げ込んだ。ダーカーのフォトンと干渉する高密度のフォトンの塊が発生する。フォトン感知誘導のミサイルはそこにとびこみ、爆発が起こる。二人は爆風で体制を崩すがなんとか無事だ

「うまい!」

「思いつきです!」

 

実は戦闘ヘリともアークスは戦えないわけではないが、それ相応の武器や装備が必要である。手持ちの武器はアサルトライフルフォトンを固着させた小口径高速弾は、大型原生種や大型ダーカーも蜂の巣にする威力があるが、相手は機械、地面を這いつくばる敵に特化したガンシップだ。装甲も厚く本来は対空機関砲やミサイル、高出力兵器であたる敵だ。あまりにも分が悪すぎる。

 

次の瞬間、機首の25mm機関銃が火を噴く。アクシィの右腕に命中し、彼の右腕の肘から下が吹き飛んだ。

 

「がっ!!……いつっ……」

「オーキドくん!」

「ぼくはキャストです!頭脳体かリアクターを撃ち抜かれなければ!平気…ですっ!」

 

とはいえ、今二人にできるのは逃げることのみ。それも時間の問題だ。(くそ……ボクはなにもできず、ここで終わるの?)

 

――諦めたときが、死ぬ時だ

――ねだるな、勝ち取れ

 

「諦めるものか!」

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「来いカトンボ!叩き落としてやる!」

 

キャティアがヘリに向き合う。ウォンドから放たれるテクニックが戦闘ヘリにどの程度効果があるかは未知数にすぎる。だが、なにもせず肉塊になるよりはマシだと彼女は考えた。彼女は、ラ・フォイエを打ち出すためフォトンを集めてゆく。

 

「イクストルさん、無茶…です!」

 

その時、別の方向から異質な音が聞こえた。キャティアにとっては聞き慣れたターボシャフトエンジンの音だ。でもヘリのものではない。

 

「ミサゴ!」

「え?」

「海軍陸戦隊の強襲降下機、ミサゴの音だ!」

 

”ミサゴ”は兵員輸送機としての機能と同時に重武装ガンシップ並みの火力を備える。未知の文明があるかもしれない惑星に偵察を試みる精鋭の兵員を送り込むための機体だ。そのミサゴから自律起動の対空戦闘ビットが放出され、高エネルギーレーザーが間断なく撃ち出される。同時に翼のランチャーからロケット弾が飛翔していく。

 

完全に不意をつかれた”ストレイキャット”は、ロケット弾の回避行動をとった際に、テイルローターの動力部をレーザーで切り裂かれたのが致命傷になった。”ストレイキャット”は力なく墜ちてゆく。

 

キャティアが発煙筒を焚き、ミサゴが近くにホバリングする。同時に屈強な兵員とアークスが降り付近を警戒、同時にアクシィとキャティアを収容する。

 

「かわいそうに、痛いよね。しばらく意識回路を外部からオフにするけど、いいかい?」

「お願いします。いたた……」

衛生兵に担ぎ込まれたアクシィは、そのまま眠りについた。

 

「中佐どの。お久しぶりです」

「キミは……輸送艦クレシダの?」

「デイヴィッド・コバヤシ”元”少尉です。ダンタリオンではお世話になりました。恩返しではありませんけど、間に合ってよかった」

「ありがとう、コバヤシ少尉」

「今は民間軍事会社”星の海の息子たち”の一員です。少尉はよしてくださいよ」

「ごめん、ボクのせいで」

「いやあかまいませんよ。でもなんとかあのときの海軍くずれも食いっぱぐれなく元気してますよ!あの時中佐どのが地上を爆撃していたら……みんないまごろは炭になってますから」

「うへ!でもどうしてここに?」

「第1艦隊のルクレール提督がナベリウスでアークスを介さない不穏な動きがあると伝えてきて俺達に仕事を依頼したんです。で、貴女をマークしてたらビンゴをひいたってことですよ」

「提督……不穏な動き?あの地上軍機に関係が?」

「アークス上層部ではもみ消しているようですが、遺跡に進出するアークスが所属不明の軍用機や機動兵器に襲われる事件が起こってるんです。原因や犯人はまだわかりませんが……でもおかしいんですよ」

「ん?地上軍がやってんじゃないの?」

「あいつらはアークスのお偉方を敵に回すほどバカじゃないっす。襲い掛かってくる兵器……地上軍の大気圏内航空兵器が中心ですが、無人兵器なんです。AIが動かしてるみたいなんです」

「は?」

「それに……襲われるのは決まって……キャストが含まれるチームなんっすよ」

「キャスト……オーキドくん……なぜ?んまあ、ほんと助かったよ」

「ちょっと遅かったみたいですんませんでした。あの子の腕は気の毒でした」

「アークス、戦うべき立場の人間ならいつかは体験することさ。あの子はキャストだしね。命が助かったことで十分、ボクも含めてね」

 

――

「新しい腕の調子はどう?」

「極上ですよ!」

「あの、その、キミが元気になってよかった」

「正直涙出るほど痛かったですけどね。でもぼくキャストですから」

「えっと、その、ごめんねオーキド君。なんかボク、いままで感じ悪かったっしょ」

「そ、そんなことないですよ!」

「えっと、オーキドくんいままでごめんね。そしてありがとう」

「こちらこそ、ありがとうございます!」

「で、2つお願いがあるんだ。まずは、ボクのことを”イクストル”ではなく”キャティア”って呼んでほしいんだ」

「え、あ……はいっ!じゃあぼくのこともアクシィと名前で呼んでください!」

「それともうひとつ、うんとさ…?」

「……ごくり」

「ボク、キミのつくったサケの三平汁が食べたい」

 

――

ナベリウスで発生したアークス襲撃事件に関する報告

 

アークス研究室 ハイキャスト計画主任

宛 海軍研究事務所所長殿 

 

襲撃を受けたアークスのうち第1船団所属の2名が生存。いくつかのPMC並びに海軍上層部の介入を認む。使用した機材の完全抹消は失敗。回収されたものの量子電脳による旧型オペーレティングシステムによる実行のため問題なし。理論的消滅の成功も確認済み。ゆえに今回の件で機密漏れの可能性は極めて低いものと思われる。

 

なおB型サンプルの回収は失敗。おそらくアークス内の海軍シンパによる隠蔽がある模様。三英雄を含む上層からの圧力、自粛命令により対応する予定。

 

なお、総長の指示によりB型計画の推進は停止、ダーカー因子付与型のA型の改良、並びにC型の開発に移行する件はすでに決定事項である。ゆえにB型サンプルの回収に固執する必要はない。その前提で今後行動せよ。

 

事件の生存者、また元中佐”I”に関しては今後も監視するものとする

 

また、六芒均衡の偶数番並びに零番、それに付随する勢力への情報の流出に対しては細心の注意を払うように

 

 

最後まで読んでくれてありがとう!!

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ちょこっとだけプロット上のルール解説

兵器メーカーの名前のルール

サーペント・ミリタリー・システムズ

リドルシリーズのサーペント社がモチーフ。小火器や重火器。既存の武器の名前と、アルバ、ディオの接頭語をつける

G.I.エアロスペース社

でかい船は星や星座。航空機や戦車、砲は動物の名前。でも日本語名ではないです。G.I.社は他でも結構登場する予定。エアロスペースはG.I.社の大気圏内航空機部門という位置づけ。一応まっとうな会社になります。でかい

・ゾンネンシュトラールAG(今回は登場しないけど)

北欧神話やドイツ。クルップ?ちがいますよ。わるい会社なのかいい会社なのか。でも海軍の戦闘艦についてはかなり大きいパテントがあります。だって実質海軍研究事務所の子会社みたいなものだもん

 

(うん、電波だねわかります、あくしぅうぃっしゅ!厨二病いやあん)